乳がん診療のようす

乳がんが心配…。

身近な病気だからこそ、まず身近な病院に相談を。

乳がんとは

乳がんにかかる人は急速に増加しており、最近の調査では日本に住む女性の11人に1人がかかっているということがわかりました。
しかし異常にいち早く気づき、治療につなげることができれば、怖くはない病気です。
乳がんは、乳房の中の乳腺という組織からうまれます。がん細胞が生まれ、これをうまく体の中で消せないと増殖していきます。
がんが大きくなってくると周りに入り込み、血管やリンパ管にはいって身体を巡り、時に他の臓器に住み着きます。これが転移です。体の中で大きくなると、体力を消耗させ命にかかわることになります。

乳がんって
どんな症状?

  • 乳房にしこりができる
  • 乳首から茶色いような汁が出る
  • 皮膚がひきつれたり硬くなったりする
  • 脇の下にしこりができる

乳がんを
早期発見したい

乳房検診の方法にはマンモグラフィー検診と超音波検診、医師の視触診(見たり触ったりして診察すること)があります。一人一人の検診の受け方によって、3つ全ての方法で受けたり、1種類だけだったり(視触診のみというのは現在勧められない方法となりました)、視触診ともう1種類だったりします。
でもどのような検診方法であっても、常日頃、自分でも乳房の様子を確かめていること(自己検診・セルフチェックなどという)が前提です。

乳がんと
診断されたら?

乳がんは早期に見つかった場合、根治を求めて治療を行います。遠くの臓器にも転移していた場合は、がんと共存しながらできるだけ長い時間、がんによる苦痛が少なく、自分らしい生き方ができるように治療を行います。

乳がんの発生

早期乳がんの治療

乳房にできた目に見えるがんを手術などで取り除き、局所的にある目に見えないがんを放射線で治療し、がん細胞の増殖を抑える全身に効く薬による治療を行うことで根治を目指します。

乳がんの手術

乳房に対する手術と腋窩(脇の下のリンパ節)についての手術の組み合わせです。
乳房の手術の方法には、以下の2つがあります。
乳腺全切除術(全摘術):乳腺を全部取り去る手術です。
乳房温存術:乳がんとその周りの組織をくり抜く手術で、乳房の膨らみを温存する手術です。温存した乳腺に、またがんができないように放射線治療を行うことで、全摘でのがんの治り方と同等とします。
腋窩(リンパ節)についての手術は、かつては脇の下にあるリンパ節を全て取って調べることが標準的な方法でしたが、現在は、リンパ節を手術中に選びとって検査に出し(センチネルリンパ節生検)、もし転移があれば残りの脇の下のリンパ節を取ります。

当院での乳がん診療

─外来診察日: 月曜(午前・午後)・木曜(午前・午後)─
午後は予約診療となります。
2次検診の場合は予約センターにて予約が可能です。
1 乳がんの診断

当院では女性技師によりマンモグラフィー検査や乳腺超音波検査が行われています。
乳腺外来にて問診・視触診・マンモグラフィーや超音波検査などを総合して判断し、必要があれば細胞や組織をとって調べます。

2 乳がんの手術

乳房温存術、乳腺全切除術(全摘)は当院にて、全身麻酔のもと行なっています。入院期間はおよそ5〜8日間です。

3 乳がんの
薬物治療

乳がんの薬物治療にはホルモン療法(内分泌療法)、化学療法(抗がん剤や分子標的治療薬を用いる)があります。当院腫瘍内科(抗がん剤などの薬物療法を安全に確実に行うための診療科)と密に連携して行っています。

4 乳がんの
放射線治療

当院では諏訪赤十字病院放射線治療科と密に連携して、必要不可欠な放射線治療を患者さん方に受けて頂いています。

5 乳がんの
緩和ケア

がんを増殖させない治療も大事ですが、がんによる辛い症状を並行して取ることも重要な治療です。これを「緩和ケア」と言います。「緩和ケア」というと、「末期」と言われてからのものと誤解されていることが多いですが、本当はがんと診断された時からの、心と体の辛さに対して行われるべきものです。
緩和ケア科医・スタッフ、精神科医、臨床心理士、その他当院の、今患者さんが抱えている問題に詳しいスタッフ達と協力して、がんによる様々な辛さを和らげるため、尽力しています。

費用は?

70歳未満の方の場合(70歳以上だと変わります)

220000円~約280000

※高額医療制度を用いると自己負担額を減らすことができます。
※食事代・個室料金・病衣代は別です。

医師紹介

―乳がん担当医―
貝塚 真知子

貝塚 真知子

かいづか まちこ

外科部長
平成9年 滋賀医科大学卒
専門領域:乳腺外科 消化器外科 一般外科 栄養管理

平成9年滋賀医科大学第2内科(現消化器血液内科)入局、平成11年滋賀医科大学第1外科(現消化器・乳腺・一般外科)入局、平成18年当院入職。

Q&A

Q1.発見が遅れる場合はどのような理由がありますか?
回答内容

まず一つは「それを乳がんだと思わなかった」ということがあると思います。どのような症状が乳がんになると起きるのか、もっとたくさんの方々に知らせたい!と思っています。また、乳房の膨らみから外れていたり乳輪の真下だったりすると気づかないことがあります。乳腺は意外と広い範囲であること(鎖骨の下から胸骨のあたり、わきの下の方まで)ももっと知らせたい!と思います。
もう一つには「病院に行く勇気が出ない」ということがあると思います。気軽に相談に来て頂ける乳腺外来にしたい!と考えています。

Q2.がんには痛みがないと聞きますが本当ですか?
回答内容

乳房の痛みががんによるものではないかと心配で外来にかかってくださる方が多いですが、ほとんどはがんではありません。しかし中には、がんが急速に大きくなってくる症状を痛みと感じる方があります。心配だ、と思ったら外来にてご相談ください。