下肢静脈瘤治療のようす

身体への負担が少ない治療方法を実現

諏訪中央病院では、下肢静脈瘤の身体への負担が少ない治療選択肢として、2020年5月より「グルー治療(VenaSeal クロージャーシステム)」を導入しています。 グルー治療は、医療用の瞬間接着剤で血管を閉塞させる血管内治療で、2019年12月より保険適用となっています。当院は県内でも数少ない本治療の実施可能施設として認定され、現在は専門資格を持つ2名の外科医による診療体制を整えています。

下肢静脈瘤って
どんな症状?

  • 脚の血管がボコボコとふくらんでいる
  • 足がむくんでつらい
  • 寝ている時にこむら返りがおこる
  • 痛み、重だるさがある
  • 皮膚が黒ずんでいる

下肢静脈瘤の原因とは…

妊娠・出産、長時間の立ち仕事などにより静脈にある逆流防止弁が壊れてしまうことがあります。逆流防止弁が壊れると、重力に逆らって血液を心臓に送り返すことができなくなり、下方に血液が溜まってしまいます。すると静脈の内圧が高まって、血管が浮き出るなど、上記のようなさまざまな症状が出てしまうのです。

下肢静脈瘤の発生

諏訪中央病院の
グルー治療による
身体に負担の少ない
下肢静脈瘤の
治療とは

従来の標準治療であるレーザー治療やラジオ波治療と比較して、患者さんの身体へのダメージをさらに抑えられる多くのメリットがあります。                  

熱を使わず、痛みがほとんどない

医療用接着剤で血管を閉塞させるため、レーザーやラジオ波の熱による周囲の神経・組織へのダメージがなく、術中・術後の痛みが極めて抑えられます。                  

麻酔の負担を大幅に軽減

広範囲への局所麻酔(TLA麻酔)が不要です。カテーテルを挿入する1カ所の穿刺(針を刺すこと)のみで治療が完了します。                  

術後の弾性ストッキング着用が不要

最大のメリットは、術後にきついストッキングを履き続ける必要がないことです。着脱が困難なご高齢の方や、早期の日常生活復帰を希望される方に最適です。

治療の流れ

─外来診察日: 火曜日午前─
1 ご予約

下肢の静脈が浮き出て、ボコボコした状態になっている方が対象です。
かかりつけ医のある方は、まず先生に相談してください 。
予約がなくても受診できますが、できるだけ予約をお取りください。 直接、諏訪中央病院の予約センターまたは患者サポートセンター(Tel 0266-72-1000)に電話して、火曜日の静脈瘤専門外来の予約を取ることも可能です 。
治療の流れについては矢印をクリックしてご覧ください。

2 初診・検査

初診時は視触診に加え、治療前の記録用の写真撮影や簡易的な超音波検査を行います 。図を用いて原因や治療の概略が説明された後、精密超音波検査の予約を取り、3DCTについては当日に撮影を行います 。 精密検査(超音波・3DCT)はいずれも痛みのない検査であり、終了後はそのまま帰宅することが可能です 。
3D_CT

3 診察(2回目)

超音波検査と3DCT検査の結果説明を行い、手術日などを確定します。
血管内治療の適応があれば、グルー治療法の方がより低侵襲なため、原則こちらの治療法となります。

4 入院

朝食は食べずに指定時刻までに入院してください。 朝の内服薬や水分摂取は指示に従ってください。

5 手術当日

手術はおよそ1時間です。当院では、手術時の麻酔も局所麻酔と静脈麻酔による全身麻酔の併用で、痛みのない手術を行い、手術後も安心して過ごしていただけるよう原則1晩は入院して、経過観察させていただいています。 手術後はしっかり目が覚めたら看護師の見守りのもとで立ち上がり、歩行します 。その後の病棟内はほぼ自由行動で、食事(経口摂取)も制限はありません 。

6 手術翌日

翌朝、医師が下肢の状態を確認した後に退院となります。

7 術後外来受診

術後の外来受診は、術後約2週間、1ヶ月、3ヶ月の計3回行い、経過をみます。

費用は?

下肢静脈瘤の治療はすべて保険適用となります。

1割負担
入院治療費

25,000

3割負担
入院治療費

80,000

※一般的な生命保険の手術給付金が支給される場合もあります。
詳しくは保険会社までお問い合わせください。

実績

  • 2022年度 97
  • 2023年度 79
  • 2024年度 105
  • 2025年度 76

医師紹介

─下肢静脈瘤 グルー治療(下肢静脈瘤血管内塞栓術) 実施医─

山田 武男

やまだ たけお

外科医師
昭和52年 信州大学卒
専門領域:血管外科 消化器外科 乳腺外科 一般外科

                        

山中 康詩

やまなか やすし

外科医師
平成24年 東京医科歯科大学卒
専門領域:一般外科、血管外科、消化器外科、透析アクセス手術

Q&A

Q1.都内では日帰りで治療できるところもあるようですが…
回答内容

都内の専門クリニックなどでは、日帰り手術が主体ですが、手術翌日にエコー検査のため外来受診をすることが多いです。当院では、手術時の麻酔も局所麻酔と静脈麻酔の併用で、眠っている間に手術は終わり、手術後は安心して過ごせるように、1泊して翌日、医師が下肢の状態を確認した後午前中に退院となります。
ただし、諸事情により入院が困難な場合はご相談に応じでいます。

Q2.グルー治療で静脈瘤は消えますか?
回答内容

静脈瘤になっている静脈は、元々は普通の正常な静脈で、弁不全による逆流を止めると縮小し、元の正常な静脈に戻ります。元に戻るのに3~4ヶ月要しますので、目立つ静脈瘤を早く何とかしたいという方は、小切開静脈瘤切除法(stab avulsion)を併用することにより、手術直後から小脈流を消退させることもできます。